DEATH RESPECTの日記
例えば私が鱗の生えている生き物であったなら、「千と千尋」のハクみたいに一枚一枚を逆立てて、全身をいからせていたのだろうなあと思う。
私は伊弉冉一二三くんを推していて、いわゆる宿女であったし、一緒に会場に入ったのはハマの女だったから、ここで友情が終わるという覚悟を持たねばならないのだと、曲が始まった時に悟った。
だからこそ最高の臨場感と感情とともに一曲に臨めたし、あの場所に居たというのは私の誇りである。
(麻天狼 in the place to be!)
「最終決戦」と叫ぶ一瞬前に、ステージが爆発した。
嘘だろ、と思ったし、私の命はここまでなのだ とも本気で思って悲鳴が出た。実際は滾るエンジンに火をつけただけだったのだけれど。
鼓膜が破れたかと思って耳に手を当てた。
実は、その後のことは相当朧気だ。
観音坂独歩役の伊東健人くんがものすごく格好良かったような気がする。もし私に息子が出来たら、ケントと名付けてしまいそうだな。
もうずっと必死でいた。降り続ける腕の痛みなんかも吹き飛んでいた。
一つだけはっきり覚えていることがあって、それは目に入れても痛くない私の推しの叫びである。
それは殺意の表明そのものだったし、爆発しそうな彼の心のうちの一端を解放したそれだった。
彼なりの新しい魅せ方、と言うよりかは、飄々としているようで熱い、そんな彼の中に潜んでいたものなのではないか。私は彼のことは何も分からないのだけど、
抜けそうに高い天井と、深い赤のライトに照らされて背を反らせて叫んだ彼の絵が、ずっと焼け付いて離れない。
なんとかあの姿をもう一度見たいのだけれど、DVDを買っても全く同じ絵では蘇らないのだろうなあ。なんというか、きっと同じ質量では帰らない。私の膝が崩れ落ちて、視界がぐにゃりと曲がった瞬間までは、もう戻ってこない。
ライブビューイングでもしっかりとあの勇姿は見られたのだろうか。
それにしてもカメラマンってすごい。どうして手元が震えないの。
(ああ明日からはとんでもない腑抜けになるのだろうな)となんとなく予感していたら、本当にそうなった。
まず自律神経がいかれていて、次の日とその次の日までは異常な手汗と脚汗に悩まされたし、今週は二日間バイトに出ただけでそれ以外の日は毎日12時間以上寝ている。
悔いは無い。精魂尽き果てて、もう何も出てこない。
これで最後、きっともう会場には来られないと思っていたけど、なにか目標みたいな予定を入れていないと生活もままならなくなりそうなので、どうにか次も行かなくては。
チケットください。